洋食器に関する講座や料理教室を開催していると、必然的に?食器にこだわりを持って集めはじめる受講者の方が増えていて、それをとても嬉しく感じています。
それと同時に「食器にこだわりたいと思っていても、何から集めたらよいかわからない」という声も、本当によく聞くようになりました。
そんな時に私がおススメしているのが、「まずはお好きなトリオを集めること」です。
食器の世界でいう「トリオ」とは?
テーブルウェアでのトリオ(数字の「3」)とは、「カップ(1)&ソーサー(2)とデザートプレート(3)の3点セット」を意味します。
もし、あなたにとって「とっておきのトリオ」があれば、このトリオに「食事の始まりと終わり」を任せることができるようになります。
食事の始まりと終わり……つまり、食前と食後というのは、実は一番、ゲストの視線が食器にいきやすい時間。
なぜなら、魯山人の「食器は料理の着物」という有名な言葉にもある通り、食事中はあくまでもメインは「料理」であり、器はそれを引き立てるための”わき役”だからです。
そんな、わき役の器たちが主役となれる時間が、ティータイムなのです。
食器には、言葉以上に語る力が宿っている
約20年前のウェッジウッドの広告で使われていた、こんなキャッチコピーがあります。
「ようこそ、の気持ちを言葉以上に語ります。ウェッジウッド」
このキャッチコピーが表現しているように、食器には「歓迎や感謝の気持ちを言葉以上に語ってくれる力」が宿っています。
だからこそ、歓迎の気持ちを伝える食前、そして感謝の気持ちを伝える食後のティータイムに使う器は、ぜひあなたにとって、とっておきの一客を選んでいただきたいと思います。
おすすめのトリオの集め方
まずはトリオを購入し、実際に使ってみて「柄や薄さ、色合いが好みだな」と思えたトリオと同じ食事用プレートを集めていく、というのは、非常に良いと思います。
(ちなみにデザートプレート(直径約18~20cm)は前菜用のプレートや取り分け皿としてもお使いいただける、汎用性の高いサイズ感です)
もちろん、その選択肢に「試しに使う(レンタルする)」というのもアリなので、ご希望の方はぜひ当社をご利用くださいませ。
さらにカップ&ソーサーはお皿と違い、棚に置くだけでも、表面の柄を見ることができます。つまり、インテリアの一つとして楽しめるので、食器の持つ「見る愉しみ」というのも味わうことができます。
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せっかくこだわるなら、ぜひあなたにとっての「とっておきの食器」と出合っていただきたい。
そして「おうちレストラン」は、もてなす対象が「自分自身」でも良いのです。
いきなり沢山の枚数を揃えるのではなく、まずは1種類のトリオで、自分自身を労わり、もてなすことから始めてみてはいかがでしょうか。
(文章:加納亜美子)